アイセンサーの切り替え応答速度が遅すぎる!?/FUJIFILM X-T2 購入レビュー(5)

2016 年 9 月 18 日

さて、FUJIFILM X-T2 レビュー5回目は、X-T2 のアイセンサーについて書いてみようと思う。

タイトルにある通り、僕が X-T2 においてもっとも不満に思っているところ、それが、

アイセンサーの切り替え応答速度の遅さ

である。

アイセンサーとは、EVFと背面液晶の切り替えモードのひとつのことで、ファインダーに目を近づけると自動的にEVFに切り替わり、ファインダーから目を離すと自動的に背面液晶に切り替わる、というものだ。

XT2 の 「アイセンサー」モード

いまや EVF機であれば当たり前のようについているこの機能だが、X-T2 のアイセンサーはその切り替え応答速度が遅すぎてまったく実用的ではないのだ。「遅すぎる」といってもその感覚は人によって大きく異なるのだが、ファインダーに顔をくっつけた時に一瞬ブラックアウトになり、その直後に画面が表示される、イメージ的には「ン・・・パ」という感じでわかるだろうか(笑)。

風景や静物など、じっくり構えて撮る被写体であればほとんど問題はないが、動体を撮るのであれば、

このアイセンサーでは瞬間的なシャッターチャンスは捕らえられない!

僕の撮影する被写体の9割はもうじき3歳になる子供だ。子供を撮るときに、終始、カメラを構えているということはまずありえない。

なぜなら僕はハイチーズ写真が嫌いだし、なにがなんでも子供の笑顔が撮りたい人だからだ。そのための僕の基本的な撮影プロセスは以下のとおりだ。使用機材は D4S を想定している。

1. 子供の動きを観察し、次の行動を予測する

2. フォーカスレバーを手探りで動かし、フォーカスポイントを移動させておく

3. カメラのグリップを握る

4. シャッターチャンスがきたらしゃがみこむと同時にファインダーを覗く

5. しゃがんだ瞬間にはすでに連写が発動されている

 

これが普段、僕が日常的に行っている撮影プロセスだが、その理由として子供の笑顔はいつも瞬間的にやってくるものであり、撮影者の俊敏性が求められるからだ。素早くシャッターを切らなければ最高の笑顔の瞬間なんて捕らえられるわけもない。

また、終始カメラを構えていると子供にカメラを意識させてしまうので、極力、写真を撮ることを意識させないために自然とこのような撮影手法となっていった。

D4S ならこの撮影プロセスがいとも簡単に行える

だが、

X-T2 のEVF、X-T2 のアイセンサーではどうだろうか?

と考えた時、答えは「NO」なのだ。それは前述したように、ファインダーを覗いた瞬間にコンマ0.何秒かのブラックアウトが発生するからだ。

だが、それを解消するために X-T2 には 複数のVIEWMODE が存在する。アイセンサー以外のその他のモードには以下の3種類がある。

1. EVF Only

2. LCD Only

3. EVF Only + アイセンサー

このうちファインダーを使って撮影するモードは、1 の EVF Only か 3 の EVF Only + アイセンサーのいずれかだ。

「EVF Only」 は X-T2 の電源がついている限り、EVF に常に画面を表示させるモード。ファインダーを覗いた時に、ブラックアウトがまったく発生しないのでもっとも実用的なモードではあるが、常に EVF がついている状態になるのでバッテリー消費の問題を避けてとおることはできない。

「EVF Only + アイセンサー」は、ファインダーを覗いていない時は消灯し、ファインダーを覗いた瞬間に画面が表示されるモードで、これは「アイセンサー」モードよりもブラックアウトの発生時間がわずかに短い。そして、ファインダーを覗いていない時は EVF に画面が表示されていないのでバッテリーの消費をおさえることができる。

仮に僕がシャッターチャンスを逃すことのできないプロカメラマンだったとしたら、「消費電力設定」→「自動電源OFF」の設定を「OFF」にしたうえで、ブラックアウトがいっさい発生しない「EVF Only」 モードに固定するだろう。

そして必要なときにのみ物理的な電源スイッチを ON にすることでバッテリーの消費を抑える。安全のためにバッテリーの予備を持ち歩く。これがもっとも安心できる方法ではあるが、そもそもプロカメラマンでもなんでもない僕が常にその状況で撮影に臨まなければいけないのは非常に億劫だ。

それに上記2つのモードのいずれかを用いた場合でも利便性の面では大きな問題が生じる。それは、

設定を変更したいときは常に EVF 内で行わなければいけない!

ということだ。それのなにが問題なのか?

そう、僕のように左目でファインダーを覗いているものにとっては、EVFを覗くことで視界が完全に遮られるので被写体の様子がわからない。自分自身も周囲がまったく見えなくなるので非常に危ない。そんな時、VIEWMODE を何回か押すことで背面液晶モードに変更するわけだが、これが極めて面倒くさい!

どうして面倒くさいのか?

VIEWMODE ボタンが押しにくい位置にあるにも関わらず、他の ファンクション(Fn)キーに割り当てることができないからだ!

XT2 の VIEWMODE の位置

 

つまり、VIEWMODE でモードを変更したい時、左手でレンズを持ちつつ、右手で VIEWMODE を操作しなければならない。実際やってみればわかると思うが、「うぉ、なにこの面倒くささ・・・」と声に出してしまいそうなぐらい面倒くさい。そうこうしているうちにシャッターチャンスを逃すことが何度もあった。

そして、「EVF Only」 モードにはもうひとつの問題がある。上記にあげた僕の撮影プロセスの2番目にあたる「フォーカスレバーを手探りで動かし、フォーカスポイントを移動させておく」というのが EVF Only モードでは逆立ちしてもできない芸当なのだ。

これが可能になるのは「アイセンサー」モードなのだが、その肝心の「アイセンサー」モードにすればブラックアウトが発生する、「EVF Only」モードにすれば背面液晶での設定ができないと、なんともかゆいところに手が届かない仕様となっているのだ。

 

以上のことから、アイセンサーの切り替え応答速度が速くなることが一番好ましいのだが、もし、もしもだ、今後ファームウェアのアップデートでアイセンサーの応答速度を違和感のないぐらい速くできないのであれば、せめて、せめて、

VIEWMODE を他のファンクション(Fn)キーに割り当てられるようにして欲しい!その際、VIEWMODE の巡回(現段階では4回)を少なくすることはできないだろうか?

と願うのは僕だけなのだろうか。

それとも他に回避方法があるのだろうか。少なくとも富士フイルムのサポセンに電話して問い合わせたところ、VIEWMODE を他のボタンに割り当てることはできないそうだ。

せっかくオートフォーカスが速いのだから「アイセンサー」の切り替え応答速度さえ速くなればデジタル一眼レフを使っているのと同じぐらい快適になると思うんだけどね。

是非とも今後のファームウェアアップデートでこの辺の問題が解決できたらいいなと思う。一応、要望はだしておいたけど・・・(笑)。

 


■関連記事