コットンペーパーに挑戦!/用紙レビュー(3) | ピクトリコ・コットンペーパー

2015 年 12 月 21 日

用紙レビュー第3回目では、コットンペーパーに挑戦したいと思います。

今回使用する用紙は、

ピクトリコ社のコットンペーパーです!

ミュゼオピクトリコ ナチュラルコットンペーパー

 

なお、上記画像は「ミュゼオピクトリコ ナチュラルコットンペーパー」という名前で販売されていたものですが、この用紙を購入してしばらくしてから「ピクトリコプロ・コットンペーパー」に名称変更され、パッケージもセミグロスペーパーなどで馴染みのものに更新されています。

ピクトリコプロ・コットンペーパー

 

ピクトリコ公式サイトに記載されているコットンペーパーの特徴によると、

・黒濃度が高く、色再現性に優れた上質なマット紙

・コットン100%のベース紙により優しい風合いに仕上がる

・310μmの厚さ、紙のコシが柔らかいため幅広いプリンタで使用できる

・マットブラックインク推奨

とのこと。

まず、ナチュラルコットンペーパーを購入後に開封してビックリするのは用紙の薄さ!ペラッペラです。以下写真は、コットンペーパーをA3ノビに印刷したものですが、写真をみてわかる通り、用紙厚が薄いので簡単にグニャっといきます。折り目もつきやすいので、印刷前・後の取扱いには細心の注意を払いましょう。

A3ノビに印刷したコットンペーパー/用紙が薄いのでグニャッと曲がる

 

面質はスムーズで、テクスチャは浅め。表面はコットンらしく優しい手触り蛍光増白剤フリーなので用紙の耐久性は高い

以下写真で、コットンペーパーのテクスチャのようすがわかるでしょうか。わかりやすくするためサイドからLEDの光を当てています。是非、拡大してみてください。

ピクトリコ・コットンペーパー/テクスチャのようす

 

いくつかの写真をコットンペーパーで印刷してみて感じたことは、コツを掴まないと「難しい用紙」だなということ。その理由としては、

シャドウ部の再現域がやや狭く、黒つぶれを起こしやすいからです。

特に日本人の黒髪は黒つぶれしやすい。どの用紙でもヒストグラムのシャドウ部(最も暗い部分)の RGB値 が10以下になると黒つぶれを起こす可能性が高くなりますが、僕の感覚ではコットンペーパーはシャドウ部が20を下回らないようにしないと黒つぶれします。

ハイライトに関しても、モニター上での見た目よりもやや薄く出力される印象。モニター通りに印刷したいのであれば、ハイライト部をやや濃いめに補正する必要があるかもしれません。

 

以下写真は、85mm f/1.4G で撮った写真です。

逆光で撮影したので、髪は暗く落ち込んでいます。髪の毛に対してはなんの補正も加えずそのまま印刷してみたところ、向かって左側の髪の毛が見事に黒つぶれしました。この用紙は黒つぶれすると黒い部分が青っぽく印刷されるのでそれが黒つぶれだとすぐにわかります。黒つぶれ、というよりもむしろ紙厚が薄いために紙が許容できるインク量を超えてしまい、飽和して青くなってしまうような感じです。

ピクトリコ・コットンペーパーにプリント

しかし、髪の毛以外は他に黒い部分がないので、優しい風合いで美しくプリントできました。シャドウ部以外の色再現性の高さはなかなかのものです。

いろいろとテストした結果、ピクトリコ・コットンペーパーは、

マッチング方法(レンダリング・インテント)を「知覚的」にするのか「相対的色域を維持」にするのかで出力結果が大きく変わる用紙

だと感じました。

 

「知覚的」でプリントすると髪の毛のシャドウ部はうまく再現されましたが、全体的にはブライトネスが上がり、無理やりトーンカーブを持ち上げたようなくすんだ色合いになってしまいました。

ところが、「相対的色域を維持」でプリントすると髪の毛は黒つぶれしますが、限りなくイメージに近いプリントで仕上がりました。

いずれにしろ、どちらのマッチング方法でも望む出力結果は得られなかったわけですが、これを回避する方法としてまず考えられるのは、どちらのマッチング方法をベースとするかだと思います。

仮に「知覚的」で印刷するならば、全体がくすんでしまうわけだから髪の毛以外のブライトネスを下げ、さらに Lightroom 上のソフト校正のイメージ図とにらめっこしながら「彩度」と「コントラスト」の数値を上げる補正が必要になります。

「相対的色域を維持」で印刷するならば、黒い部分が潰れてしまうわけだから部分補正をかけて髪の毛のシャドウ部を持ち上げます。この時、強引に持ち上げると返ってコントラストが低くなって髪の毛だけねむくなってしまうので加減は必要です。

 

以上が僕がコットンペーパーを使ってみて感じたことですが、黒つぶれしやすいという難しさこそありますが、日本人を撮影する限り、髪の毛の黒つぶれ回避は乗り越えなければいけない第一関門です。しかし、それさえ乗り越えられればコットンペーパーでしか表現できない世界があることは間違いありません。

被写体を選ぶ用紙ではありますが、

淡い感じに仕上げたい時、寒色系の写真をプリントしたい時、優しい雰囲気に仕上げたい時

などに積極的にこの用紙を使っていきたいなと感じました。花のマクロ写真なんかもいい感じでプリントできそうですね☆

以上、ピクトリコ・コットンペーパーの用紙レビューでした。